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日本人が忘れてしまった「日本文明」の真価

日本人が忘れてしまった「日本文明」の真価
清水 馨八郎 著 祥伝社 定価1680円(税込)
著者(千葉大学名誉教授)の前著に『手の文化 足の文化』があり、塾長もしばしば援用というより活用させて頂いている。本著の内容も口幅ったい言い方で恐縮だが、塾長の発言の裏付けとも謂える多くの事実を我々に提示してくれるのだ。
第一章で、日本の文明が他に見ることの出来ない独自文明であることを多くの事例を挙げて検証し、特に中国文明とはまったく一線を画したものであり、いわばむしろ「日本こそ近代中国の師匠だった」と喝破する。そして「中国四千年の歴史」という言葉が誤謬を助長したのだという。すなわち中国の統一は秦の始皇帝によって(西暦前221年)初めてなされたのであり、その歴史は二千年余りに過ぎないのだと指摘する。
第二章以下日本文明が日本という稀有の風土の所産であり、狩猟民族の文明と比較しながらその「平和で安全で清潔な文明」が生まれたを明らかにしていく。そして手の文化としてなぜ日本が最先端技術で世界に頭抜けた存在かを差し示す。
氏はそうした日本人の資質の高さの因子の一つとして日本語を挙げる。漢字・ひらがな・カタカナという表意・表音文字のハイブリッドに、古来の日本語を温存してきた訓読みという仕組みにも触れ、そうした日本語が世界で比類のない脳の働きをもたらしたことを、角田忠信の説を引用しながら力説する。
教科書の教えない日本の真価とは? 目からウロコの1冊といえよう。

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