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日本型デフレに脱出口はあるのか?−2
販売店・生産者サイド
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(1)本当に安いものしか売れないのか?
昨今商品供給者サイドでは、「安くなければ売れない」という消極的且つ貧弱な発想と諦め感が充満し横行していることが、デフレ基調から抜け出せない最大の要因である。
本当にそうだろうか? 理詰めで綿密な計算と、真摯な企業努力によって、生みだされる『安値戦略』だったらいいのだが、多くの場合、戦う前から白旗を揚げている負け犬根性が見て取れる。
真に消費者の心の琴線に触れるものなら、少々高くても消費意欲は働くものだ。たとえば、いままで安売りマックで通してきたマクドナルドが、高いがそれだけの価値がある商品に切り替えた途端、大きな反響を巻き起こして売上・利益を伸ばしている。
先日のテレビで、某繁盛店(スーパー)を取上げていたが、通常の店に較べ、圧倒的に生鮮食品や総菜類を取りそろえた売り場構成は圧巻であった。同店舗経営者の発言として、量販店店には「8:2」の法則があるという。つまり20%の顧客で売上の80%を占める(残りは80%の顧客で売上の20%)のだという。
これは「パレートの法則」といって、卸店サイドの商品構成でも実証され応用してきたが、スーパーの顧客にも適応するとは知らなかった。また同氏は、日本のスーパーは品揃えから新鮮度、顧客サービスなど、世界でもっとも厳しい国だと話していたが、つづまるところ、スーパー=セルフサービスという発想を捨て去り、顧客満足度(CS)を最大に引き出すサービスを心掛け、実践することが肝要で、それは決して安売りではないと強調していた。
そういえば、チャイナに進出した日本の店が、現地雇用の店員に徹底してサービスやマナーの教育を施しているが、そうした教育とすぐれた品質が相俟って、そうした店は価格的に高くても顧客の支持を受け、記録的な売上を上げている現状がある。
(2)追随・模倣より独自性
日本人は、ある新製品がヒットすると、多くの同業他社メーカーがその製品に殺到し、忽ち過当競争に突っ走って、必要以上の価格下落を招来している傾向がある。
さみしい話だが、日本人・日本企業(特に中小企業は)「内弁慶」過ぎて、海外進出・海外輸出がなおざりにされ、必要以上に国内での過当競争を自ら選んでいる感がある。
最近日本のすぐれた果物や野菜が海外で人気を集めている。生産者は思い切って海外に販売活路を見いだすか、思い切って海外市場に出ていくことも視野にいれて活躍すべきではないか。
もっとも信頼の置ける機関の指導やアドバイスが不可欠であるが、出来れば若手経営者、次期後継者などが協力して、海外進出を図り、いい商品の輸入、日本からの良品輸出などに新境地を開く試みがもっとあってもいいのではないか。
またその一方で、現在全国的に野菜直売所が脚光を浴び、新鮮な野菜を求める客が引きも切らない状態である。ここでの客は価格よりも、新鮮さと生産者の顔が見えることに魅力を感じているのだ。
従来は野菜などの流通において、農協から市場を経由することで、本来の価値よりも、相場の変動に左右されるため、折角の努力の結晶が二束三文ということ稀ではなく、しかも規格外サイズは、生産者にとってまったくお金にならないことが常識である。
野菜の直売場は、そうした従来の商取引に風穴をあけたことになる。しかも規格外の生産物は、加工品やカット野菜として、また客引きの目玉として、活用され始めたことも大きい。なにしろ生産者が生き生きと取り組んでいることがいい。
(2)デパート再浮上の道はあるか?
前号でアメリカのデパートは、郊外型ショッピングセンター(以下SC)のキーテナントして生き残りを図っているという事実を述べた。キーテナントとは、SCの規模や構造に応じて、直線型なら両端に各1店、「T字タイプ」なら3店と言う具合にコア(核)になる大型有名店として配置される。
またそのSCが2フロア型ならキーテナントも2階、3フロア型なら原則3階というケースが多い。アメリカのデパートも、都市型なら高層であるが、SCでは上層階は切捨てている。
ところが日本においてデパートは、依然として都市型・交通の要衝立地、繁華街中心での営業にこだわり、しかも新しい消費者心理や購買傾向を忖度ぜず、すべて横並びの経営戦略で、限りなく衰退の道を辿っている感がある。組織にしろ社員の意識にしろ、硬直化し旧弊化して、お役人のようにリスク回避・責任回避の事なかれ主義から脱皮できないまま、たとえば催事にしろ、商品構成にしろ、個性を欠如したままである。
もし目隠しして、デパートの3階以上のフロアーにあがり、そこで目隠しを取った時、その店名を当てられないとしたら、そのフロアーの存在価値はないことになる。だとすると、デパ地下と看板である1階にプラス、食堂街・イベント会場以外は、すべて店の個性に合致したテナントショップに切り替えるべきではないか。
勿論今でもデパートはテナント店で構成されてはいるが、ブランド(商品)・レイアウト・ディスプレーにまったく店舗個性が反映されていない。そこは企業カラーに沿ったテナントで埋めるのだ。逆に言えば、デパートごとに、明確な企業カラーを確立すべきだが、それが欠如しているため、どうしても、没個性な店になって仕舞うのだ。すくなくとも、同じブランドが近隣店には出店しないというスタイルを守らせる代わりに、当初のテナント費を格安にして、軌道に乗れば正規の賃料にシフトしていくべきだろう。テナントを運命共同体として、大事に育てているという姿勢が望ましい。
日本のSCやデパートのテナント料は、最初から地代や建築費をスペース割りにして、また有名なデパートに出させてやると言った姿勢で、高いテナント・フィーを押しつけているが、地代・建築費の安いアメリカならまだしも、結局撤退する店舗が続出する結果を招来している。すでに償却済みのデパートでは、安い賃料でも充分やっていけるはずである。
またアメリカのSCでは、通路に多くのワゴンセールの店がある。そこで実績の上がった店は、成績の上がらない店と入れ替わるのだという。こうした合理的な運営が、果たして日本では採られているのだろうか。
つねにガランとしたフロアーでは、暇な店員の目が、客に集中する。さすがに付きまとっての接客はないとしても、客はやはり通りづらいものだ。デパートには他業種店にない進物という武器がある。これは同時に客の情報を得る大きな武器になる。それを生かしてダイレクトメールや外商、それに加えてネットでの交流や通販などを積極的に行なうべきである。
(3)仕入れ商品に自己責任を持て!
殆どの大型小売店は、売残り、賞味期限、破損などの商品を、問屋に返品して恥じるところがない。これでは問屋あるいはメーカーは思い切ったコストダウンなど出来ないし、新製品の開発に消極的になる。したがって金太郎飴のように、「どこでも同じ商品」という傾向が強くなる。
「売れない物は返品」では、真摯に商品と向き合ったことにならないし、第一プロの仕入れ要員、販売要員とは言い難い。ここには担当者だけの責任ではなく、仕入担当と販売担当の意識の違いなどもあって、今のままではやる気喪失のメカニズムが作動するばかりである。
仕入れを真剣勝負とするためには、自社の責任で仕入れ、それを売り切るという真摯な販売姿勢と、当然ながら仕入れと販売の間に、熱い有機的な繋がりと、たゆまぬ市場調査が不可欠と知るべきである。
こうした諸問題に果敢に挑みブレークスルーすることが、デフレ脱却のための最大の課題と言えるだろう。

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